ビブリオエッセー 令和三年八月



8月25日の産経新聞夕刊「ビブリオエッセー」に向田邦子さんのエッセイのレビューが掲載されます。
半年前に投稿されたのでボツになったと思っていましたが、掲載が遅れた理由は
① 8月22日が彼女の40周忌になること
② レビューの中で彼女の航空機事故に触れているが、8月12日に起きた日航機事故を連想されること父がNHKしか観なかったので「寺内貫太郎一家」も「時間ですよ」も観たことがなかった。NHK放送の「阿修羅のごとく」でさえ観たことがなかった。
彼女の高名はもちろん知っていたが、なぜか読んだことがなかった。
「無名仮名人名簿」を今年初めて読み、たちまちその文章の名人芸に魅了された。
彼女のお父さんは学歴がなく、苦労して保険会社で出世したが家庭では暴君であったことが書かれているが、我が父のことを思い出した。
ドリフの番組は観ていたが、それは商店街の土曜夜市で店を9時まで開けていた夏の間だけだった。
担当記者が「江戸の地口に触れていますが、それが面白いですねえ」と言ってくれたが、小中学生の時に家にあった興津要編の「江戸落語」を愛読していたので、それと通じるものがあったからだ。
彼女のファンでもあった父が掲載を知ったら、きっと喜んだろうねえ、と妹が言った。

 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。


 管理人マーキュリーマークからの伝言
 上記は、ドリアン長野が令和二年に投稿した内容です。
 令和六年にドリアン長野は親子でケアンズ旅行。