#57 上海日記二日目 (リターンズ)

NO57 上海日記 2日目

at 2005 01/18 22:23 編集


12月20日
K君はほんまにびびっていた。初めての海外旅行なのはわかるが、それにしても尋常ではない。
「危険な所に行くのはやめましょうね」
「上海に危険な場所はないっちゅうねん(あったら行ってみたいわ)」
「ドリアンさんも日本に待っている人が大勢いると思いますから、くれぐれも無事に帰国しましょう」
「俺たちはイラクに行くジャーナリストとちゃうで」
「お金はいくらかかっても構わないので、命を最優先に考えて下さい」
「君は自衛隊の中隊長か。でも、ひょっとしたら無言の帰宅ってこともありえるなあ」
「ええっ!」
びびっているやつをいちびる(からかう)のは面白い。
その夜、K君からメールが入った。
「中国ってビザいりますよね。 今からでは間に合わないのでは?」
すっかり忘れてた。
慌ててインターネットで調べ、池袋にあるビザ取得代理店にパスポートを明日一番の宅配便で送ることにした。果たして間に合うのか。K君から電話。
「その代理店、大丈夫なんでしょうね、パスポート送っても」
「もしかしたら歌舞伎町の蛇頭(人身売買をするスネークヘッドという犯罪組織)に横流しされるかもね」
「ええっ!」
K君の心配は尽きないのであった。

元(ハジメ)管理人の感想文と皆様への伝達事項
リターンズなのですでに結果を知ってる人ばかりなのはともかくとしても、人に何かを頼んで文句ばかりいって何一つ責任を取れない人っていたりします。「嫌なら辞めとけ。神経質なのも限度がある。」と言いたくもなります。一方でビザやパスポートについても海外旅行をするなら忘れないようにすべきです。他方、中国ではなくて南米のエクアドルでは今月悲劇が発生しました。ご冥福を祈ります。
結局は、海外旅行をするかしないかは本人が責任をもって行うべきであって第三者に責任を押し付けてはいけないと考えます。日本の治安も悪化してはいますがそれでも海外よりは治安が良くて気楽だと考えられています。ある意味、別口のお話ですが、周知のようにこのシリーズは長期間継続してました。今年の大半はこの上海日記です。明日の事は誰にも分らないが、日中間の外交問題が平成20年代に比べて小さかった平成10年代のお話だということを前提にこれからもお読みいただければ幸いです。
 以上、管理人元(ハジメ)でした。

 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。