ニコラス・ペタス 平成26年1月

蒼い目のサムライ、大山倍達最後の内弟子、ニコラスペタス。
第七回世界大会で彼の試合を観たことがあったが、基本に忠実な組手だった。「空手の本質は組手にあり、組手の本質は基本にあり」という大山倍達の言葉通りに。実は彼は茶帯から二段という飛び級だったのだ。その裏事情とは…
真相は、総裁に黒帯の審査を受けたいと直訴したところ、「君は20人組手をやらなきゃ駄目だ。君には二段の審査を受けてもらうよ」と言われ、受審したのですが、審査を見るために来日したデンマークの先生に、「今、彼に二段をあげると天狗になるので初段にしておいてください」との進言で初段になったのでした。
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。