第七回世界大会で彼の試合を観たことがあったが、基本に忠実な組手だった。「空手の本質は組手にあり、組手の本質は基本にあり」という大山倍達の言葉通りに。実は彼は茶帯から二段という飛び級だったのだ。その裏事情とは…
真相は、総裁に黒帯の審査を受けたいと直訴したところ、「君は20人組手をやらなきゃ駄目だ。君には二段の審査を受けてもらうよ」と言われ、受審したのですが、審査を見るために来日したデンマークの先生に、「今、彼に二段をあげると天狗になるので初段にしておいてください」との進言で初段になったのでした。