【正義感】 平成26年3月

ごちそうさん」を録画して夕食時に家族で観ることが多い。先週は、め以子が闇市で警察の手入れに遭う話だった。手入れだとわかり、逃げ惑う人たち。め以子も捕まり、闇米を没収されそうになる。め以子がたまらなくなって、叫ぶ。
「わたしら、何も悪いことしてへんやないの!食べ物持っていって、あんたら、わたしらに死ね言うんか!」
その時、テレビを観ていた二歳半の娘が叫んだ。
「だめでしょう!だめでしょう!」
顔を見ると眉根を吊り上げ、眉間にしわを寄せて、憤懣やる方ないという表情でもあり、今にも泣き出しそうな表情でもあり、小さな体いっぱいに感情を露わにしている様子である。妻が言った。
「正義感が強いんやなあ」
私は幼子でも世の中の理不尽に対して憤りを感じることがあるんだなあ、とちょっと驚いた。その時はちょっと驚いただけだったが、後になってその光景を思い出すと、何だか鼻の奥がツンとして涙が出そうになる。人がいる時は、まずい。だから咳を出すふりをして誤魔化す。
関東の人にも大阪弁が浸透していってほしいです…
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。