芸術と国家の関係とは何か? 平成26年6月

「問ふ、歌は天下の政道をたすくる道也。いたづらにもてあそび物と思ふべからず。この故に古今の序に、この心みえたり。比義いかが」

答へて曰わく、

「非也。歌の本体、政治をたすくるためにもあらず。身をおさむる為にもあらず。ただ心に思ふことをいふより外なし。其内に政のたすけとなる歌もあるべし。又国家の害ともなるべし。身のわざはいともなるべし。みな其人の心により出で来る歌によるべし」

本居宣長 「あしわけをぶね」

芸術と国家の関係とは何か?本居宣長は芸術は国家の害となるものもある、と言っている。
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。