ゼー六 平成26年7月

堺筋本町近くにアイスもなかの「ゼー六」がある。オフィス街の中に昭和レトロな店構え。乳脂肪たっぷりのバニラアイスではなく、昔ながらのシンプルなアイスクリンでファンが多い。この間、行列に並んでいたら自分の前の人が、どうぞお先にと後から来た人に順番を譲っていた。その譲られた人が自分にまで「すみません、すみません」とお礼を言うのだが、どっかで見たような顔である。その人は奥さんらしき人に「ここのはホンマに美味しいねん。大阪に来たら、必ずここに寄るねん」と言って、さっそく買ったばかりのアイスもなかにかぶりつき、なんとも幸せそうな顔である。後から思い出したが、安田大サーカスの団長だった。一個百円。ドライアイスとかはないのでテイクアウトの場合は新聞紙に包んでくれる。
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。