#91 ビルマの休日 その4 (リターンズ)

NO91 ビルマの休日 その4

at 2006 01/17 22:51 編集

夜はすることがないので十時には寝るから、毎朝五時に目が覚める。バンコクで二時までディスコで踊り狂って夜更かしするのとはえらい違いである。早朝の散歩がこれまた気持ちがいい。独立記念塔がある近くの公園に行くともう善男善女が太極拳やらダンスの練習をしているので、私もカラテの型をやる。六時半になればもう充分に明るい。そこからヤンゴン川に向かって歩いていくとイギリス植民地時代に建てられた、創業百年以上の老舗アンド高級ホテルのストランド・ホテルがある。一番高い部屋で一泊十万円、安い部屋でも五万円もするというクレージーなホテルだ。せっかくだからトイレを借りに入ってみると、何だか調度品やら骨董品やらがごちゃごちゃと置いてある。おしっこしたついでにレセプションで両替してみるとレートがものすごく悪い。私の泊まっている安宿の方がはるかにいい。(勝った!)と内心優越感を覚える。ここらあたりは税関やイギリス大使館や今は使われていないデパートや貨物列車が運行していたであろうレールが残っていたりしていて、植民地時代の残滓が色濃く漂っている。朝から対岸行きのフェリーに乗る人や降りてきた人でごった返している。川を眺めながら食べた露店のモヒンガー(魚のダシで作った麺)はストランド・ホテルで食べる豪華なディナーよりおいしかったと思う。これは別に負け惜しみではない(こともないこともない)。
市街にはバッタもんの外食店もある。「マック・バーガー」とか「ミスター・Jドーナッツ」とか「フライド・チキン・トーキョー」とか。カレーより高いけど結構はやっている。ファーストフードは嫌いだが、ためしにフライドチキン・ディナーセットを購入。味に関しての感想は控えたい。ただ日本だったら三時間でつぶれるだろう。
三時間で市内を一周する環状線に乗ってみた。外国人は乗車券を購入する窓口が違っていたり、パスポートの提示を求められたりとややこしく、おまけに料金はミャンマー人は二十円だが外国人は1ドルである。発車時間ギリギリだったので、ホームを走って最後尾の車両に飛び乗った。乗客から不思議そうにじろじろ見られた。(続く)
 元(ハジメ)管理人の感想文と皆様への伝達事項
三時間。三時間が今回のミャンマー旅行記で大きな重みを持つ言葉ですね。日曜日に霊的に過ごすように求められるのも三時間ですね。実際にはそうならないことが多いのも現実です。
それはともかく、フライドチキンの味付けについての評論を始めて読んだ平成18年には個人的には爆笑した思い出があります。現在はどうか知りませんが、カレー(前回、参照)はおいしくてもミャンマーのフライドチキンについてはドリアン長野は肯定的ではなかったようです。実は日本人は塩分が多い食事を好むからその部分も関わってくるかもしれません。塩分が多い食事をしてるから高血圧で困ってる日本人は多いです。
健康を意識して意図的に運動量を増やして早寝早起きをしてる人は多くなってきました。軍事政権のミャンマーと資本主義社会のタイランドとはその部分でも大違いのようです。ミャンマーでは早寝早起きでもタイランドでは夜ふかしといった具合です。
ドリアン長野が旅行した翌年の平成19年にミャンマー政府がガソリン補助金を引き下げを行うと、ヤンゴン環状線(総延長45.9キロメートル)の利用率は急激に高まったそうです。要するにガソリンの値上げで鉄道利用者が増えたそうです。平成10年代と平成20年代は大違いのようです。45.9キロメートルはそれなりに立派ですね。一つの路線で100km以上のJRや近鉄近鉄大阪線営業距離108.9km)に乗り慣れてる人だと賛否が分かれるかもしれない。
又、日本国内でも町によって考え方が違う事が多いのは半ば当然ですが北海道では駅の中で走ることはほとんどないそうで近畿の駅の中で走ってる人を見て驚かれる道産子がおられました。 余談ですが平成10年代のある日、私が北海道の地下鉄の切符を自動改札機に入れたら受け付けてくれなかったことに驚きました。向きが逆だと認識してくれないのです。あれには参った。
ミャンマー風チキンカレーがチェッターヒンだそうです。私もチキンカレーは大好きですがミャンマー風は食べた事がございません。
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。