#97 ビルマの休日 その10 (リターンズ)

NO97 ビルマの休日 その10

at 2006 02/06 23:48 編集

思えば苦しい道のりであった。山頂付近では息が異常に苦しくなり、高山病かと疑ったり(なわけねーだろ)、いつ着くかともしれぬゴールにくじけそうになった時はアントニオ猪木の「恐れず一歩を踏み出せ。そこが道になる。お前の後ろに道はなく、お前の前に道がある。天上天下唯我独尊」という言葉を思い出して頑張った(ウソ。しかもテキトー)。しかし、朝の来ない夜はない。借金取りの来ない消費者金融はない。永遠に続くかと思われた苦行もいつしか終わりを告げ、はっと思ったらそこは山頂だったのだ。私は無寄港(茶店)単独登頂、しかも杖(茶店で売っていた)なしという偉業を成し遂げたのだ。この偉業はミャンマーの歴史には燦然と輝かないかもしれないが、私の歴史には燦然と輝くであろう。万歳、 自分。誉めたたえよ、自分(by 三代目魚武濱田成夫)。
境内には何百人という登頂者がまぐろのように息も絶え絶えに横たわっていた。まさに野戦病院さながらである。気持ちはわかるぞ、同志よ。そして本尊のゴールデンロックはその黄金色を輝かせ、傾斜のついた崖っぷちに絶妙なバランスで屹立していた。地震か台風でもあったら、転げ落ちそうだ。参拝者が金箔を買って、その岩にぺたぺたと貼付けている。日本だったら危険だからといって立ち入り禁止だろーな。崖の下を覗くと、神聖な場所のはずなのに菓子の包み紙とかがいっぱい散乱していて、ちっとも地球に優しくないミャンマー人なのだった。十分も見ていると、苦労して見にきた金箔岩なのにもう飽きてきた。今晩は早めに寝て日の出を拝もうと思い、外国人が予約なしで泊まれる唯一のホテル(これがろくな設備はないくせに宿泊費だけはバカ高いんだよな)に行ったら満室だとゆわれた。仕方ないので中腹まで下山することにした。あとはトラックでふもとまで行けば安宿があるはずだ。(続く)
 元(ハジメ)管理人の感想文と皆様への伝達事項
高山病ですが、概ね2400m以上の高山に登り酸欠状態に陥った時に、さまざまな症状が現れ人によっては2000m前後の標高でも発症することがあるらしいが約1100mの標高に位置するゴールデンロックでは高山病にはならないと考えられます。余談ですがMLBコロラド・ロッキーズの本拠地であるクアーズ・フィールドは標高約1600mに位置します。
 何らかの有名な建物があって辛く長い業務上の艱難辛苦を乗り越えてやっとの思いで到着してから10分もたたない内に飽きてきた経験は皆さんにもございますか?ほとんどの海外旅行記がそうですが単なる浪費であったかもしれません。ミャンマー人にとっても辛い(彼等にとって)国内旅行のようです。
 そういえば、今回は97回目のリターンズ。某企業が販売してる靴の97のデザインは私の好みではないから現在(平成26年11月)販売されてますが、購入は見送りました。将来、彼等は再販するのかな?最近の若者がどういった決断を下すのかな?
 以下は皆様への伝達事項ですが、実際の所、平成十年代並びにそれ以前のドリアン長野の海外旅行記の8割以上のリターンズは終了しました。平成20年代のタイランド旅行記等は現在の所は半ば唯一の例外ですが、平成20年以降は過去の年代と比較してドリアン長野は海外旅行の回数を減らしてます。構造的に半ば増やせないのでリターンズは、平成二十五年に発表したタイランド旅行記(未完の大作になるかも?)を将来的にヤフーブログ上で発表すると海外旅行記の新規投稿は減ることを考慮してください。
今後は、ドリアン長野がフェイスブック上にて伝達した内容の紹介が関の山といった具合です。
そういう訳で、皆様、次回にご期待ください。 以上です。
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。