BOOK 平成27年1月

元(ハジメ)管理人の感想文と皆様への伝達事項
以下の文章は平成10年代に存在したgoo簡単ホームページ上で発表したドリアン長野の読書感想文の転載です。その点を理解された上でお読みください。
記事番号 2  編集 
書籍名 アイロニー?  カテゴリー 評論・エッセイ   
著者名 Oka-Chang(オカチャン)  発行年(西暦) 2005 
出版者 文春文庫  値段 500-600円 
投稿日時 2005/11/16 21:43 本のサイズ 選択してください 
感想 
感動度 実用度 娯楽度 ファッション度 難易度
☆☆☆☆ ☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆ 「きみ~、カラテで大切なのはパワー、スピード、リズムだよ。特にリズム感のない人間は上達しないよ。宮本武蔵の『五輪の書』にも拍子にそむくなと書いてあるよ」(by 大山倍達
いえ、いきなりこんなことを書いたのはOka-Chang(面倒だから以下オカ)の「アイロニー?」を読んだからだ。つまり彼女の文体にはリズムがある、独特のオカ文体。スピードも、もちろんパワーも。彼女が格闘技を学んだらすごいだろう。あと柔軟性ね。なにせ大のプロレス好きでターザン山本に対しては「いちファンであり続けるか、結婚するかのどちらか」と本人に宣言するほど。代官山が嫌いで錦糸町や上野や大久保が好き。ここらへん、あたしと一致。
「いや~、いきなりすんごい新人が出てきましたねえ」(谷川貞治調。ここんとこオカのパクリ)。あたしはプロレス知らないので、大阪の全世界ウエイト制大会でロシアのセルゲイ・オシポフが変則上段回し蹴りでのちの全日本王者、田中健太郎に一本勝したようなデビューだ。そのオシポフ、いやオカのプロフィール、ジャンキーライターの石丸元章(前科もち)と結婚後、モデルとして活躍。向島で芸者。離婚後、文筆活動に専念。もう誰か止めてください(ただしやさしく。断じて怒鳴るな)。byオカ 

記事番号 1  編集 
書籍名 春の雪  カテゴリー 日本文学      
著者名 三島由紀夫  発行年(西暦) 1970 
出版者 新潮社  値段 選択してください 
投稿日時 2005/11/12 21:58 本のサイズ 選択してください 
感想 
感動度 実用度 娯楽度 ファッション度 難易度
私がこの本を読んだのは高校生三年生の時。きっかけはUK五大パンクバンドのひとつ、ストラングラーズのベーシストが「気が狂ったように読んだ。日本語で読んだらもっと深いところまで感動しただろう。三島を産んだ日本文学には心底敬服する」と言っていたからだ。そのベーシストは極真会館総本部で黒帯を取るために来日したが、組手であばらを折られて入院するという経験を持つ。現在は世界空手道連盟士道館マイケル・ジャクソンも顧門)でイギリス支部長をしている。
三島の遺作である「豊穣の海」の第一部(彼は四部作目の「天人五衰」を脱稿したその日に切腹した)。日露戦争の堤灯行列の思い出を描写した冒頭だけで、初めて読んだ時の感覚ー17歳の私にセピア色をした過去と未来とが開けていくような感覚ーを今でも覚える。私はひどい劣等生だったが、これを読んで以来、歴史や思想に急激に関心を持つようになった。日本文学で一冊を選べと問われれば、私は躊躇なくこの本を挙げる。

 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。