#34 NYバスターミナル編 (リターンズ)

 #34 NYバスターミナル編 (リターンズ)
2012-09-01 | Weblog

#34 NYバスターミナル編

at 2004 01/15 22:22 編集

8番街から9番街の1ブロック、40丁目から42丁目の2ブロックにまたがる巨大なバスターミナルがポート・オーソリティ・バスターミナルです。グランド・セントラル駅(映画「アルマゲドン」では隕石の破片が直撃して壊滅しました)とペンシルバニア・ステーションという二大鉄道駅にここを加えれば、ニューヨークの三大ターミナルになります。ターミナルといえばホームレスのたまり場になりやすいので御多分に漏れずこれらもそうなのですが、前者の鉄道駅はチケットのない者の待合室への入場を禁じているせいもあって比較的清潔で安全です。しかし、ポート・オーソリティは場所からして周辺に老朽したビルが多く、地元では「地獄の台所」と呼ばれており、治安もあんまり良くありません。そしてホームレスはフリーパス。必然的にこの駅はホームレスの憩いの場アーンド生活の場となっています。一歩足を踏み入れてみれば、まあ、すごいですねえ。「F×××」を連発して、何かに怒りながら歩いている人がいるかと思えば、必需品を一切合切ショッピングバッグに詰め込んで生活しているショッピングバッグ・レディと呼ばれる老婆が座りながら小便を垂れ流しています。窓口でチケットを買えば、ホームレスが「釣りをくれ」と寄って来ます。しつこいようなら無言で睨んでやりましょう。階段には寝ている人がよくいるので、歩きづらいですが踏んづけないように注意しましょう。トイレの洗面台で真っ裸になって体を洗っている人もいます。彼がホモの場合もあるので気をつけましょう。とろんとした目で座り込んでいる人はヤク中なので目を合わせてはいけません。お金をせびられます。夜になると待合室で待っているだけでお金をせびられます。昼間でもボーッと立っているだけでせびられます。ほな、どないせいっちゅうねん、とおっしゃる方もいるでしょう。コツはさっさっと早足で歩き、せびられたら無視することです。英語が分からないふりをするのもいいでしょう。カラテの型をやるのもいいかもしれません。それでもしつこいようなら、相手はどう猛といえども人間です。脅えた態度を取ってはなりません。じっと目を見つめて(これが肝要です)25セントを渡して素早く逃げましょう。それにしても日本のホームレスはおとなしいのに、何でインドやアメリカはあんなに戦闘的なんでしょう?まだまだ日本はホームレスといえども裕福だということなんでしょうか。1階のバスの待合室には「今夜泊まる場所のない人はここに来て下さい」というプレートがあり、住所が書いてあります。マンハッタンにはシェルターと呼ばれるホームレスのための宿泊施設がたくさんあります。そこではベッドがあり、簡単な食事も給されるのですが、いかんせん喧嘩や盗難(靴とかが多いようです)が多発するので敬遠する人もいます。そんな人はこの待合室で寝るのでしょう。
 私はここに来ると、いつも天王寺駅を思い出します。現在は都市開発計画で天王寺駅もその界隈もずいぶんときれいでおされになりましたが、一昔前はもっとホームレスが多く、殺伐としていました。自分でもよく分かりませんが、ニューヨークに来るたびに私はポート・オーソリティに足を向けてしまいます。何をするでもなく、ただターミナル内を歩き回るだけですが。
 もし、神さまに名前があるのなら、どんな名前なんだろう
 俺たちは神さまに向かって、その名前を呼ぶんだろうか
 神さまとその栄光を目の前にして何を尋ねる?
 もし一つだけ尋ねるとしたら?
 
 ああ、神さまは貴い
 ああ、神さまは良きもの
 もし、神さまが俺たちのうちの一人だとしたら?
 俺たちのうちの薄汚いやつだとしたら?
 家に帰るバスの中の見知らぬやつだとしたら? 
 もし、神さまに顔があるとしたら、どんな顔なんだろう
 見てみたいと思うかい?
 もし見ることが信じることと同じだとしたら?
 天国やイエスさまや聖者やぜんぶの予言者たちを
 ひとり天国へと帰ってゆく
 電話をかけてくれるのはローマかどこかの法皇だけだ
 
 聖なる転がる石のように
 ひとり天国へと帰ってゆく
 家に帰る途中みたいに
 電話をかけてくれるのはローマかどこかの法皇だけだ
 「One of us」ジョーン・オズボーン (1995年「RELISH」収録 ドリアン長野 訳
 元(ハジメ)管理人の感想文と皆様への伝達事項

 アメリ旅行記です。
 映画、アルマゲドンは平成十年代初期を代表するアメリカの映画ですね。
皆様も過去に一回位は聞いたことがあるようなアメリカの大都市ヌーヨ~クのお話ですね。具体的には困っている人々が駅に集まっているお話です。これは、元(ハジメ)が平成十年代の夏のある日に実体験したお話なんですが、あるバスターミナルの待合室に赴いたらとても暑かったのを連想します。なぜならば、ホームレスの人がやってこないように待合室に暖房をつけていたからです。そこにいた警備員さんから教えてもらい少し驚きました。 将来、そのバスターミナルには地下鉄今里筋線が出来上がるとも言われていますが現時点では未定です。
海外旅行であれば有名な施設に行く機会があるとは思いますが全て治安が良いとは限らないというよりもむしろ、治安が日本国内よりも悪い場所がほとんどなので皆様、お気をつけてください。ポート・オーソリティ・バス・ターミナルについては参考までにコチラもクリックしてみてください。大阪であればOCATのようなものでしょうか?バスターミナルもイロイロで幾つもの小売店が近接しているばかりか小売店へいざなうバスが行き来しているようですね。
 皆様、次回のドリアン長野の海外旅行記を楽しみにお待ち下さい。
オマケ
以下は平成25年にドリアン長野が撮影した天王寺駅に近接してる阿倍野ハルカス。
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以下は、管理人元(ハジメ)が撮影してきたJR天王寺駅並びにその近辺の写真です。
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 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。