三年前の二月のこと (新作)

三年前の二月のこと。めったにない父からの電話。照れたように、雛人形は〇〇家(妻の実家)が買ったのか?と。いいや、と言うと、それじゃあ、送る、ともっと照れたような声。米子の「人形のウエダ」さんで買った立派な雛人形が届いた。店主のウエダさんから「お父さんが来られて熱心に見てましたよ」とのメール。少ない年金の中から、と驚き、もったいなくもあり。毎年出す度に照れた声を思い出す。

「はうらつにたのしく酔へば帰りきて長く坐れり夜の雛の前」

宮柊二(しゅうじ)

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ついでにこちらも…
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 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。