「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり」
僕の生まれた小さい町は
山と海とがありました
自転車こいで40分
子どもの小さな大冒険
海に溺れたこの僕を
父が助けてくれました
あれから僕も歳を取り
海を知らない街に住む
子どもを連れて帰省中
海が見たいと駄々こねた
車に乗せて海に行き
あっという間に着きました
子どもは海辺で大はしゃぎ
海を知らない子どもたち
君もいつかは親になる
その時 覚えていて欲しい
僕の古里この海を
祖父母がいなくなってても
たまには訪ねてきて欲しい
できれば君の
子を連れて
祖父母の思い出 話して欲しい