皆生温泉 平成28年五月

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「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり」
僕の生まれた小さい町は
山と海とがありました
自転車こいで40分
子どもの小さな大冒険
海に溺れたこの僕を
父が助けてくれました
あれから僕も歳を取り
海を知らない街に住む
子どもを連れて帰省中
海が見たいと駄々こねた
車に乗せて海に行き
あっという間に着きました
子どもは海辺で大はしゃぎ
海を知らない子どもたち
君もいつかは親になる
その時 覚えていて欲しい
僕の古里この海を
祖父母がいなくなってても
たまには訪ねてきて欲しい
できれば君の
子を連れて
祖父母の思い出 話して欲しい

 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。