マラソン本 #1

https://twitter.com/duriannagano/status/781612718243639296

ラソン本 ①
一年前は街中を走るランナーを冷ややかに見ていたのが、気がつけば正月は箱根マラソンを熱心に観、福士加代子のドキュメンタリーを録画し、図書館に行けば一度にマラソン関係の本を9冊借りているというていたらく。何なんだこれは。中毒か、中毒なのか。
その中で文句無しに面白かったのが「東京マラソンを走りたい」喜国雅彦
今までスポーツをしたことがなかったオタクでメタボ気味のヘビメタ好きのギャグ漫画家の喜国氏、47歳にしてマラソンを始め、病み付きになり、今では月に200キロを走るという。そのきっかけが面白い。
「2006年のこと、突然ツレが走らなきゃいけない、と言いだした。彼女は極真空手の道場に通っていて、夏の合宿にも何度か参加しているのだが、これまで不参加だった12キロの長距離走を初めてやることになったのだ。夏の炎天下に長距離走。しかも道着で。さすがは天下の極真。鉄下駄じゃないだけ、まだマシなのか。」
このツレというのはもちろん奥さんのことで漫画家の国樹由香だ。そんなある日、道場から帰ってきた彼女が「東京マラソン2007 出場者募集」というチラシを差し出す。
「彼女はいつだってそうである。いきなりなのである。彼女の辞書には段階を踏む、とか徐々に、なんて言葉はないのである。空手を始めるときも、近くの町道場ではなく、いきなり極真の総本部の門を叩いたし、入門したその日の夜、腕立て伏せが三回しかできないのに、将来黒帯を巻いているであろう自分の姿を熱く僕に語ったりした。」
まあ、そういうわけで奥さんに付き合って走り始めるのだが、腕立て伏せ三回しかできなかった彼女もなんと、現在有段者である。ああ、人間って素晴らしい…T_T
この本の「はじめに」でこんな言葉がある。
「マラソンコース上ではドリンクだけではなく、いろいろな食品が配られる。バナナはその代表格なのだが、マラソン中に食べるこれの美味しさにビックリした。
たかがバナナが?
信じられない人にはぜひ確かめてもらいたい。」
フルマラソンを走って至極のバナナを味わってみたい、と思わないだろうか。えっ、思わない?
そうですよね。でも私は中毒者ですから。

(管理人マーキュリーマークからのお知らせ この新規投稿後のやりとり)
ちうどくすね( ̄∇ ̄)

ドリアン長野 です(≧∇≦)
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。