「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。」
原田宗典の愛読者であったが、その妹である原田マハ氏の著書を読んだのはこの本が初めて。西原理恵子さんは「読者は読み手のプロだから」と言った。プロという定義はここでは脇に置くが、読みながら何度も「うまいなあ」とつぶやいたのだった。この一冊で原田マハという作家に魅了された。
OLであった主人公がひょんなことから政権交代を謳う野党のスピーチライターに抜擢される。目頭が熱くなること数回、言葉の持つ力を改めて認識される一冊。