【妄想シアター】 平成29年12月

【妄想シアター】
その1
とあるバーにて、藤竜也似のシュッとした紳士が一人ドライマティーニをなめるように飲んでいる。
「マスター、つまみ出してくれ」
「かしこまりました」
マスターは近くにいる屈強なバーテンダーに目配せした。
バーテンダーはうなずくと、その紳士の首根っこをやおら掴み、バーの外につまみ出した。
その2
浦島太郎の絵本を子どもに読み聞かせている年配の保育士さん。
「もらった箱を開けると、たちまち浦島太郎の頭は真っ白になりました」
それを傍らで聞いていた今年入ったばかりの若い保育士、
「浦島太郎、何にパニックったんですか?」

 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。