キサンジ 平成29年12月


この大阪ことばも若い人には通じんようになりましたなあ。六十歳以上の人やないとわからへんとちゃいますか。
漢字で書くと「気散じ」、大らかな、さっぱりした性格のことですわ。子どもに言うと、人見知りしない、人なつこいいうことですわな。大阪人の嫌う、ええかっこしい、その正反対ちゅうニュアンスがありまんな。せやけど、親でも誰でもわからんことは生きてるうちに聞かなあきまへんで。死んでからは遅おまっせ。昔から言いますやろ、「親孝行、したいときには親はなし。墓に布団は着せられず」いうてな。
いや、これは関係おまへんな。ジジイがゆうても老婆心ちゅうやつや。ほな、ごめんやっしゃ。

 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。