#5 ホーチミン市のディスコ(ヤフーブログ版)
「今晩、ディスコに行かないか?」
バイク・タクシーのヒューはメコン・クルーズのボートの中で聞いてきた。今日はニューイヤーズ・イブだし、社会主義国のディスコってのも気になるしな。古めかしい建物の二階にあるディスコにヒューと行くと、彼の奥さん(ディスコで知り合ったそうだ)が二人の日本人女性を連れてきていた。彼女達と自己紹介をし、初めはおそるおそるっていう感じで踊っていたのだが、そのうち脳内にエンドルフィンとドーパミンが放出されたのだろう、体内メーターがレッド・ゾーン に入った。こうなると止めることなど不可能、私は我を忘れて踊りまくった。私の踊りは太極拳にブレイク・ダンスをミックスしたオリジナルだ。踊り始めると 周りには人がいなくなるという危険なダンスだ。ふっ、お嬢さん、気をつけなせえ。俺に惚れるなよ。この時も無我夢中でキープ・オン・ダンシング、気がつけ ばみんな、私の周りを遠巻きに見物している。もっ、もしかしてこれって奇異の.....、いや違うね!(なぜかきっぱり) 羨望の眼に決まっとる。(とむりやり納得)
見て見て、もっと見て~。快感だわ。そのうち、輪の中から一人のベトナム少女が踊りながら出て来た。そうなの、私と一対一で日越ダンス対決をするつもり なのね。わかったわ。受けてたってあげる。私たちは我を忘れて踊った。離れては近づき、近づいては離れ、相手の差し出す一挙手一投足に呼応し、互いのリズ ムを感じ取りながら。歓声が上がり、拍手が起こる。誰かがタオルを差し出した。汗を拭いて観衆に投げ返すと、我先にと奪い合う。オーホッホッホッ。私はスターよ。今宵のディスコ・キングなのよ~。
ひと休みして外のソファーに座っていると、通りがかった人が「かっこよかったよ」と言って握手を求めてくる。ふっふっふっ。ホーチミンのディスコは最高だ ぜい! よしっ、来年まで踊り続けるぜい、ベイビー、と腰を上げるとヒューが「もう帰ろう」とつまらなさそうに言う。えっ? まだ11時ですぜ、だんな。
「ベトナムのディスコは深夜まで営業できないんだよ」
そうか、さては私のあまりの人気を妬んでるな。仕方なく私たちは帰った。こうしてホーチミンの長く暑い夜は更けていくのであった。
そんでもってこの前、スクンビットにあるディスコ、「ナルシサス」に行った。行ってみて驚いたぜ。最先端のハウスやトランスはいいんだけどさ、みんな下半 身だけ揺らしながら踊っているのだ。何だ何だ、その金魚踊りは? やる気あんのかっ。踊りっちゅうのは、なんちゅうかこうもっと情熱的に踊るもんちゃうんかいっ! こんなんやったらグレース・ホテルのエスニック・ダンスのほうが100倍ましやっちゅうねん。かくなるうえはわしが乗り込んで踊りの基本を教えたるわっ、 とフロアに出て行こうとすると連れの女に必死に止められた。(なんでやねん)
私は日本ではクラブに行かないので分からんが、ハウスはああやって金魚踊りをするのが主流なのか? 誰か教えてくれ~。こうなれば次に狙うのはゲイエリアで有名なシーロム通りのソイ4じゃい。金魚野郎ども、首を洗って待っとけ!
バンコクのディスコ (ヤフーブログ版)
皆様への伝達事項
ドリアン長野が2010年以前に作成し発表した海外旅行記ですので現在とは状況が異なる部分が多々あるかと思います。影響を与える事が出来ても責任は取れませんので参考にしてもらう分には構いませんが模倣は不可能になってるやもしれません。
皆さん、周知というよりも羞恥な事実だが、継続します。
私はバンクーバーの夜にはチーズケーキエトセトラという基本的に夜だけ営業してるお店で食事をしたことが良い思い出になってます。
ドリアン長野の海外旅行記(ヤフーブログ版)
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