父の包丁 平成30年3月


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父の包丁
実家を処分するので先日帰省した。
父は妹宅に、母は弟宅に同居しているが、来週、半年振りに横浜のアパートで一緒に生活することになる。実家にいたときは父は一切料理をしなかった。母が数年前に転倒し、大腿骨骨折して台所に立てなくなってからは米を研ぎ、食パンを焼き、キャベツを千切りにし、怪しげな煮物を作るぐらいはするようになった。
帰省したときに台所を整理していたら、父が使っていた包丁を見つけた。父は簡単な料理を作り、食べ終わったらすぐに食器を洗い、包丁を砥石で研いでいた。手先は器用なほうで、趣味でプラモを作り、丁寧に塗装するのは得意だから料理もできるだろうにと思っていたが、変われば変わるものである。包丁を研ぐ姿が職人みたいで、僕もやってみたいなと思った。
その包丁を実家から持ち帰り、使っているのだが、実によく切れる。一昨日弁当の具材を切っていたのだが、不覚にも左手の人差し指の爪を切ってしまった。
父の包丁と言ったが、実際は母が長年使っていたものだ。それを息子の僕が譲り受けた。僕の子どもは六歳だが、ユーチューブでお菓子作りの動画を熱心に観て作ったりして、将来の夢はパティシエだと言っている。この前は目玉焼きを作ってくれた。もう少し大きくなったらこの包丁を使わせてやろうと思う。この包丁はおばあちゃんとおじいちゃんとパパが使ってたんだよ、と言って。
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 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。


 管理人マーキュリーマークからの伝言
 上記は、ドリアン長野が令和二年に投稿した内容です。
 令和六年にドリアン長野は親子でケアンズ旅行。