「ドリアン長野のランニングな日々」~森下さんについて~
ランニングを始めて1年足らずの時、何とか10キロを走れるようになり、2016年に堺シティマラソン10キロ男子マスターズにエントリーした。
実はその時が空前のマラソンブームだということも知らなくて、体力にも自信があり、45歳以上のマスターズなら上位に行けるだろうという今なら赤面ものの自信があった。
当日会場に行って驚いた。すごい人である。マスターズだけで2500人が走るらしい。コースは古墳周辺を二回周回する。
走り始めて自己練習と大会ではこんなに違うのか、と思った。とにかく苦しい。
一回目の周回で傾斜のあるコースを喘ぎながら走っていると、後方の大会役員から
「先頭の人が通るのでコースをあけてください!」とのアナウンス。
周囲の人から口々に「え、どういうこと?」と声が上がった。
自分も含めて意味はわかるのだが、理解できない、ということだろう。
冷静に考えれば我々が一周目を走っているときに既に二周目を走りゴールに向かっているということだ。
その男性は猛スピードで一陣の風のように我々を抜き去り、一瞬にして我々の視界から消えた。
あとからわかったが、その人が森下さんだった。
森下さんはぶっちぎりで優勝した。当時54歳のタイムは34分。一般男性コースの優勝者が32分だからどれだけ早いかがわかると思う。
ちなみに僕のその時のタイムは56分。
それから8か月後に出した10キロ50分48秒が自己ベストだが、2年経った今でも悲願の49分台は出ない。
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