イヤー オブ ザ ドラゴン 平成29年7月

何をかくそう、私が今までで一番何度も観た映画はジョンローン、ミッキーローク主演の「イヤー オブ ザ ドラゴン」だ。
チャイニーズマフィア、マンハッタンのもやし工場、オープニングは葬儀で始まり、エンディングも葬儀で終わる。ジョンローンに手のひらを撃ち抜かれたので片手を包帯で吊りながら、葬儀の列に乱入するミッキーローク。恋人とスローモーションのカットになり、髪が乱れたショットで終わる。中国系を含むアジア系アメリカ人からは差別や民族対立を助長するとして抗議が相次いだが(ミッキーローク扮するホワイト刑事も白人ヒエラルキーの最下位に属するポーランド系という設定)、マイケルチミノ監督の美意識は私の趣味とぴったり一致するのだ。



 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。