私は山陰の地方都市で生まれ育った 平成26年11月

私は山陰の地方都市で生まれ育った。実家はもともと商店街で紙屋を商っていたが、父親の代で文房具とプラモデルを仕入れた。となりは市内一大きな二階建ての書店だった。小学生の時分からその書店に入り浸っていた。漫画も本も読み放題だった。書店員は立ち読みを注意するのだが意に介さなかった。それどころか、駄菓子を片手に床に座り込んで何時間でも読みふけっていた。ほとんど毎日書店に行っていたと思う。
地元出身の直木賞作家の桜庭一樹はその書店の漫画や小説が置いてある二階のフロアでよく時間を過ごしていたそうだ。そして中高生のときは私の実家で原稿用紙を買っていたそうだ。彼女は私より10歳年下で、その頃は私はもう大阪に出て行ってしまってたけど。
彼女が「作家になるためには?」という雑誌のインタビューで「読むこと、書くこと、そして群れないこと」と答えていた。彼女が一番影響を受けたという、ガルシア•マルケスの「百年の孤独」を読んでいたら、そんなことを思い出した。 http://sakuraba.if.tv/
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。