「キネマの神様」の書評 平成29年8月


ギャンブル中毒の80歳の父、しかし彼は無類の映画好きだった。ある日ひょんなことから映画ブログを始めることになった。
その第一弾「フィールド.オブ.ドリームス」の評論に対して、アメリカからローズ.バッドという人物の反論が来る。一体この人物は何者なのか。映画を通じて得た友情、はたして人生最良の映画とは(私もこの映画は大好きだ)。そして本書「キネマの神様」のサブタイトル「The name above the title」(題名より先にくる名前)の意味とは。
相変わらずうまいなあ、原田マハ。じんと来て、読み終わったあとはいい映画を観たような気になる。これは壊れかけた家族を救う「映画の神様」の物語。

 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。