貧困とは何か? 平成29年8月

— ドリアン長野 (@duriannagano) 2017年8月24日 ">

「物乞う仏陀
例えばコルカタやデリーやムンバイに行けば失明した両腕のない、両脚のない乞食に苦労せずに遭遇するだろう。アジアの底辺を取材した著者の労作。
こんなことが現実社会で起きているのか?捏造か創作ではないかと怪しむ人もいるかもしれない。いや、事実である。衝撃のルポルタージュだ。このような世界が紛れなく存在するのである。


「家族の勝手でしょ!」
岩村暢子
もう一冊は前代未聞の食卓の考現学。これはれっきとした先進国の日本の日常である。お菓子だけの朝食。具のないインスタントラーメン、やきそば、レトルトの夕食。食卓に置いた菓子パンなどをそれぞれ好きな時につまんでいく餌場。栄養学など考えない無知な主婦。崩壊する家族。これはごく一部の家庭だと思うかもしれないが、調査のサンプル数は、この種の超定性調査としては、膨大かつ充分なものだ。
発展途上国とは違った先進国の、それゆえ余計に寒々しい日本の貧困である。


 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。