妄想シアター  1,2,3 (新作)

妄想シアター その1
大学の応援団
「雪を応援しろ!」
「オス?」
「雪を応援してみろ!」
「オス!フレー、フレー、雪〜、フレ、フレ、ゆ〜き〜‼︎」
「よし!明日は大雪だ」
「オス?」
その2
「先生、僕は何の取り柄もなくて魅力もない人間なんで、みんな僕の話を聞こうともしないんですよ。どうしたらいいんでしょうか?……先生?」
「えっと…。何の話でしたか?」
その3
病院にて
「先生、最近眠くて眠くて。大学の講義中もすぐ眠ってしまうんですよ」
「何か激しい運動でもされてますか?」
「はい、水泳部なんですが一日五時間くらい練習してます」
「それは眠くなるのも無理はないですね。でもなんでまた五時間も?」
「ライバルにうまいやつがいて。絶対に負けたくないんです」
「なるほど、スイマーとの戦いですね」

時々何かが降りてきます。ただで楽しめるのは最高ですね。
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。