やっと地上波で放送された「君の名は。」を観た 平成30年3月

やっと地上波で放送された「君の名は。」を観た。
時空を超えて東京と飛騨に住む男女が入れ替わる。ある日、少女の住む飛騨の町が隕石によって消滅してしまう。二人は徐々に記憶が無くなってゆき、お互いに相手を探し求めるのだが、最後に…。
観ているうちに二つの作品を思い出した。
三島由紀夫の「豊穣の海」四部作は松枝清顕が輪廻転生していく物語だ。彼の親友本多が自らは年輪を重ね、清顕の転生を見守っていく。
藤子・F・不二雄の短編「ノスタル爺」は主人公が出征前に幼馴染みの里子と祝言を挙げ、終戦後に故郷に戻ってくる。タイムスリップに遭い、自ら土蔵に入って里子を見守る。
盲亀の浮木」という支那の諺がある。
深海の底に住む巨大な盲目の亀が何千年か何万年かに一度だけ海面に姿を現わす。たまたま流木が浮いている。その流木にはたまたま穴が開いている。たまたま亀の浮上する真上にその穴があり、亀は首を突っ込んでしまう。とうてい起こり得ない偶然だ。
私の側にいる人は奇跡的な巡り会いでそこにいる、ということを考えさせる素晴らしい映画だ。


 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。


 管理人マーキュリーマークからの伝言
 上記は、ドリアン長野が令和二年に投稿した内容です。
 令和六年にドリアン長野は親子でケアンズ旅行。