ありがとう、入江選手 令和三年八月


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「全米が応援している」「全米が泣いた」などの米子市長のツイートで話題になった入江聖奈選手。史上初の快挙は本当に素晴らしい。
彼女は家にあった「がんばれ元気」を読んでボクシングを始めたそうだ。
私も引っ越しの度にずいぶんと漫画を処分したが、「がんばれ元気」「空手バカ一代」「ホーリーランド」「男の星座」はどうしても捨てられない。
「がんばれ元気」はボクシング漫画の金字塔「あしたのジョー」に感化されて描かれた。
格闘家の須藤元気は彼のお父さんが感銘した主人公堀口元気から命名されている。
何度この漫画を読み返し、涙したことだろう。
ある意味で陰惨な「あしたのジョー」に比べると明るい青春群像ではあるが、堀口元気は幼くして両親を亡くしている。
元気はとうちゃんを尊敬し、貧しいドサ周りボクサーのとうちゃんも元気に愛情を注ぐ。
天才ボクサー関拳児との死闘で後頭部を強打したとうちゃんはその夜に体調不良を隠して元気と約束していた遊園地に遊びに行き、亡くなってしまう。
その日から幼い元気は「とうちゃんのようなボクサーになる」と毎日血の滲むような研鑽を積む。
そして成長した元気は世界タイトルマッチを賭けて関拳児と闘う。
祖父母の元へ帰るラストシーンは彼の優しさが集約されているが、「がんばれ元気」は全編優しさに溢れていると言ってもいい。
こんなとうちゃんを慕わない子どもがいるわけがない。
こんな愛情を受けた元気が他人に愛されないわけがない。
こう書いているだけで涙が出てくる。
ありがとう、入江選手。

 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。


 管理人マーキュリーマークからの伝言
 上記は、ドリアン長野が令和二年に投稿した内容です。
 令和六年にドリアン長野は親子でケアンズ旅行。