「全米が応援している」「全米が泣いた」などの米子市長のツイートで話題になった入江聖奈選手。史上初の快挙は本当に素晴らしい。
彼女は家にあった「がんばれ元気」を読んでボクシングを始めたそうだ。
私も引っ越しの度にずいぶんと漫画を処分したが、「がんばれ元気」「空手バカ一代」「ホーリーランド」「男の星座」はどうしても捨てられない。
「がんばれ元気」はボクシング漫画の金字塔「あしたのジョー」に感化されて描かれた。
格闘家の須藤元気は彼のお父さんが感銘した主人公堀口元気から命名されている。
何度この漫画を読み返し、涙したことだろう。
ある意味で陰惨な「あしたのジョー」に比べると明るい青春群像ではあるが、堀口元気は幼くして両親を亡くしている。
元気はとうちゃんを尊敬し、貧しいドサ周りボクサーのとうちゃんも元気に愛情を注ぐ。
天才ボクサー関拳児との死闘で後頭部を強打したとうちゃんはその夜に体調不良を隠して元気と約束していた遊園地に遊びに行き、亡くなってしまう。
その日から幼い元気は「とうちゃんのようなボクサーになる」と毎日血の滲むような研鑽を積む。
そして成長した元気は世界タイトルマッチを賭けて関拳児と闘う。
祖父母の元へ帰るラストシーンは彼の優しさが集約されているが、「がんばれ元気」は全編優しさに溢れていると言ってもいい。
こんなとうちゃんを慕わない子どもがいるわけがない。
こんな愛情を受けた元気が他人に愛されないわけがない。
こう書いているだけで涙が出てくる。
ありがとう、入江選手。