中島らもが友人とスナックで飲んでいたときのエッセイの感想文 平成26年7月

中島らもが友人とスナックで飲んでいたときのエッセイ。

一人の黒人が入ってきた。真っ黒というか漆黒というか、黒光りするほどの肌の黒さ。その黒人が出ていったあとに、
「真っ黒やったねえ」
「どこの国の人やろ?」
「ほんま、何人やろねえ」

カウンターで洗い物をしていたママさんがふっと顔を上げ、
「黒人ちゃいまっか」

私はヘラヘラとこのエッセイを読んでいたのだが、先日友人のKから「ライト兄弟って何人やったっけ❓」というメールが来た。Kは関西の有名私大出身のくせに無知である。私は「二人」と返信した。Kからすぐに返信。
「いや、だから何人❓」
は~、全く。
「兄弟だから二人だよ」
とあきれつつ返信してから気づいた。
「ごめん、アメリカ人」

ちなみに近江八幡市に本社があるメンタームで有名な近江兄弟社キリスト教精神の「人類皆兄弟」から名づけられていて、兄弟ではないです。
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。