「オアシス来日公演」 リターンズ特別篇

「オアシス来日公演」

at 2005 11/20 00:14 編集

オアシスの日本公演のチケットが七千円。悪いがオアシスごときにそんな大金は払えん。確かにオアシスは偉大なバンドだ。友人がいつか「こんな時代によくこんなバンドが出て来たな」と言っていたが、それは正解だ、多分。オアシスを知らない人のために一応説明しておくと、ビートルズとセックスピストルズを足して2で割ったようなバンドだ(そんなもんなんか)。CDはよく聴いた。特に「モーニング・グローリー」とか「ビイ・ヒア・ナウ」とか「スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ」とか「ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース」とか。でもあたしが七千円出してもいいというのは例えば、ボランブギのT・レックスとか(死んでるし)ニルヴァーナとか(死んでるって)ドアーズとかだ(だからっ!)
だから当日ダフ屋からチケットを買うことにした。言っとくが初犯だ。大阪城公園駅前でにいちゃんが「チケットあります」の紙切れを掲げていたので声をかける。
「いくら?」
「いくらで買いますか?」
(そうきたか)
「三千円しかないんだけど」
これは本当だ。さっき森ノ宮の「印度屋」でシシカバブカレー大盛り(924円)を食ってきたから金はない。
「う~ん三千円じゃねえ」
あたしは財布からもうワンコイン見つけた。
「三千五百円でどう?」(オアシスに四千円以上出す気はないぜ。っていうかそれ以上ないぜ)
「じゃあ、それでいいです」
ふっ、勝った。帰りにモスバーガーでチーズバーガーを買おうかと思っていたが、それは我慢する。なんてたって「オアシス」だからねえ~?
スキップして会場へ。
「缶やビンの持ち込みはできません」と貼り紙がしてあったのでウーロン茶のペットボトルを持っていたあたしは入場口で係員に、「あの、それ....」と言われ、「飲みます!」と喉に流し込んだ。係員が「いっ、いえ、飲まなくてもいいですから。キャップだけ回収します」と慌てて言った。キャップがなかったら持ち込み上等ってのはどういう了見か未だにわかんねえ。
キャパが一万人近くある会場に来るといつも思う。こんなにもオアシスファンっているのか。そりゃ、当たり前だが一人シコシコ部屋で聴いている身としては実感として不思議だ。七千円×一万人として、七千万円。一晩のライブでマンション二戸分の金が動くわけか。ヤンキースの松井が四年間で年棒62億だそうだが、オアシスとどちらが稼いでいるんだろう(あたしって人間が小さい。さすが三千五百円でチケット買ったやつだ)。
そんなことを考えているといつの間にかオアシスが出て来て演奏を初めていた。二曲目で早くも「ライラ」だ。リアムは後ろ手にして歌うんだな。あれがマンガ「BECK」でコユキが真似したスタイルってわけね。リアムが時おり「ニホン、サイコー」とおべんちゃらを言っては曲は淡々と進む。アンコールの「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」に至っては会場全体が熱唱し、次のラスト曲「マイ・ジェネレーション」でみんなは一体になった。ああよかった、よかったあ。ああ~青春ってやつは~♪ でもステージの後ろのシャビーな電飾のせいで何だかラスベガスのディナーショーに来ているような気になるんですけど。でも、「シャンペン・スーパーノヴァ」を聴いた時には正直言うと感動してさぶいぼができた。ただしあたしの大のお気に入りの「マジック・パイ」も「ロール・イット・オーヴァー」も演らんかったので三千五百円でエンヤのニューCD買ったほうが良かったかなと考えるあたしはやっぱりせこいのかも。


元(ハジメ)管理人の感想文と皆様への伝達事項
「平成10年代にこんなことがあったかもしれない。」といった具合で発表された国内旅行記なので皆様、あんまり真剣に受け止めないでください。周知のように、平成21年に解散したオアシスの後継のビーディ・アイも先月解散しました。
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。