(T_T)
『認知症の母』
母が認知症になった。
施設には入れずに、自宅で介護を続けてきた。
ある日、家の庭に野良猫がやってきた。
母は猫を指差し、「あれは何だい?」と訪ねてきた。
私は「あれは猫だよ。」と、少し冷たく答えた。
私は「あれは猫だよ。」と、少し冷たく答えた。
母は1分もしないうちに私に訪ねた。「あれは何だい?」
「母さん。さっき言ったろ?あれは猫だよ。」私は少し
イライラしていた。
「母さん。さっき言ったろ?あれは猫だよ。」私は少し
イライラしていた。
母はまたすぐに言った。「ねぇ、あれは何?」
私は感情にまかせて母を怒鳴った。「母さん!何度も
言ってるだろ!あれは猫だよ!!分からないのかよ!!」
私は感情にまかせて母を怒鳴った。「母さん!何度も
言ってるだろ!あれは猫だよ!!分からないのかよ!!」
母は恐れるような眼で私を見つめ、それからは黙って
いた。
いた。
それからすぐに、私は母を施設に入れることにした。
母の荷物をまとめるために部屋を整理していると、
古いノートが何冊も出てきた。
古いノートが何冊も出てきた。
内容はありふれたもので、『私が初めて〇〇をした。』
というようなことがほとんどであった。
というようなことがほとんどであった。
私は大した感動をすることもなく1冊目を読み終えると、
次に一番新しい日記を手に取り、読み始めた。
次に一番新しい日記を手に取り、読み始めた。
息子は「あれは何て言う鳥?」と、
私に何回も何回も訊いてきた。
私に何回も何回も訊いてきた。
私はその度に「あれはセキレイって言うんだよ。」と、
言って息子を抱きしめた。
言って息子を抱きしめた。
私をこんなに穏やかにしてくれるなんて。
この子が生まれてきてくれてよかった。
ありがとう。
この子が生まれてきてくれてよかった。
ありがとう。
読み終わった私の目には涙があふれ、
母のもとに駆け寄り、やさしく抱きしめながら
泣きじゃくった。
母のもとに駆け寄り、やさしく抱きしめながら
泣きじゃくった。
母はそんな私をただやさしく撫でていた。