バンコクのディスコ (ヤフーブログ版)


#6 バンコクのディスコ (ヤフーブログ版) 

 パッポン通りにある、チョー有名なディスコ「○シファー」に行った。ええ、踊りましたとも。全てを忘れて踊り狂いました。気が付いたら、2時間ぶっ続けで踊っていた。時々、白人や黒人や日本人観光客がダンスを教えてくれと進み出てきたけど、スタミナもリズム感もないから話にならないね。黒人に踊りを誉められたことが私の唯一の自慢だ。次の日は二人のタイ人大学生を引き連れて踊りに行ったが、彼らは恥ずかしがって観ているだけだ。2時間も退屈だっただろ う。誘って悪かったのぉ。ホテルに帰るのが朝の3時。寝るのは4時だ。毎日フラフラになってるのに踊り始めると身体がシャッキとするのって、これって異常 じゃないかぁ~? でもダンシング・ハイってお金がかからないから、まっいいか。そうだろっ、「VSゲストハウス」のみんな!(注)
3日目はカトゥーイのレックとトミーを誘ったが、入口で店員が「会員じゃないと入れませんよ」とぬかしよった。嘘にきまっとろーが。オカマが入店したら 風紀が乱れるってかい。特にレック(小さい、という意味です)は名前のわりにはガタイがいいから、見た目ですぐにオカマってわかるけどな、乱れてんのはてめえの顔のほうじゃい! オカマを差別するんじゃねーっ。でも2人とも怒ったり、落胆した素振りはなかった。きっとこんな事には慣れっこになってるのね。(シクシク)
シーロム通り、ソイ4の「TAPAS」に行ってみたのだが、閑散としている。ギャラリーが少ないと、踊ってても張り合いがない。私は自分の踊りを誰かに 賞賛してもらいたい。(我ながら、オレってやつは....)トミーが言った。 「私の知り合いがお店をやってるから、そこに行きましょう」 
そして連れていかれたのがソイ2にある「YOUR PLACE」だった。ここはフロアから3階の吹き抜けの通路まで人でビッシリ、上から見ると、踊ってるというより、死体に群がる蛆虫がうごめいているとしか見えん。なによりもここは90パーセント以上が男、もしくは男たちのカップルで占められ、スキンへッズに皮のパンツにリストバンドという典型的なそれ系白人どもが便所でディープ・キスをしているという、ハード・ゲイからタイ人のソフト・ゲイ(?)までが集う、天下無敵のゲイ・ディスコだ~~っ! お立ち台の連中、所せましとフロアから通路まで踊り狂うゲイども、私の真後ろで椅子にのぼって半裸で肉体を誇示しているやつ、どいつもこいつも恍惚の表情をしている。はっきり言って私はうれしいぞ。踊りは熱狂的じゃないとな。みんな、明日の憂いは忘れて今夜は踊りあかそうぜいっ! ○イズなんかに負けるなー!
.......... 気が付くとまたもや2時になっていた。誰もが自分の踊りに熱中していて私には注目してくれなかったのが残念だったがな。いつの間にかレックとトミーがいなくなってしまった。外に出ると、ディスコの向かいにガラス張りのコーヒーショップがある。そこから10人くらいのモーホー野郎が横一列に座ってディスコから出てくる男を欲望に満ちた目で物色しているという香ばしい風景だ。ソイの入口で2人を探していると、左ななめ45度に熱い視線を感じた。見ると、パンク・ヘアーを金髪に染めたジャニーズ系の男の子が私を見つめ、ウインクまでしてきた。(もっ、もしかして.....)その男は近づいてきて言った。 「何してるの?」 「友だちを待ってるんだけど.....」(レックとトミー、どこ行ったんだ、早く戻ってきてくれ~!) 「あなた、ゲイ?」 「違う、違い ます! 私はゲイではありませんっ!」 そいつは一呼吸おいた後、こう言った。 「あなたのこと好きよ」 どひぇ~~っ!! 初対面の男に、しかも会ってから1分以内にそんなことを言われたのは生まれて始めてじゃいっ! 「もし友だちが見つからなかったら、そこのバーガーキングにいるから今晩つきあって」 つっ、つきあうって一体なにをなにしてどうしてどういう意味で.....。(もはやパニック状態)
私は友だちを探すふりしてタクシーを拾って逃げた。(バンコクでは何だかいろんな事から逃げてるなぁ)でも、でも今でもあの男の子のことを考えるたびに 残念な気持ちがするのは、なぜぇ~っ?!
注 「VSゲストハウス」はカオサンにある、ヤク中が集まる安宿として有名。宿泊客の8割以上はヤクが目当てだといっても過言ではなかろう。頻繁に警察の手入れがある。

 
皆様への伝達事項
ドリアン長野が2010年以前に作成し発表した海外旅行記ですので現在とは状況が異なる部分が多々あるかと思います。影響を与える事が出来ても責任は取れませんので参考にしてもらう分には構いませんが模倣は不可能になってるやもしれません。
皆さん、私は海外の危険地帯に行かない事を提案します。海外旅行案内書やインターネット上でも危険地帯については発表されてますので参考にしてください。HIVは今でも難病です。


管理人 マーキュリーマーク
 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。


 管理人マーキュリーマークからの伝言
 上記は、ドリアン長野が令和二年に投稿した内容です。
 令和六年にドリアン長野は親子でケアンズ旅行。