二年前よりわずか2分早かった4時間57分 平成30年11月

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「ドリアン長野のランニングな日々」⑤

タイムではなく、完走するためにセーブしていた力を徐々に解放していく。
前にいるランナーを次々と抜いていく。抜こうという意識は毛頭ない。ただ普段の練習で走っているペースを出すだけだ。坂道では歩いているランナーが多くいる。その脇をゆっくりと走り抜ける。30キロ地点まで来た。二週間前の練習ではふくらはぎの痛みで30キロでリタイアしたが、毎日のカーフレイズのおかげで痛みはない。確信した、完走できる。しかし32キロからが苦しかった。苦しみに耐え、37キロまで来た。あと5キロもあるのか。わずか5キロが永遠の道のりに思える。もう歩いてしまおうか。ここまでよく頑張ったじゃないか。

いや、娘が言った「負けるなよ」という言葉を思い出す。負けるなよ、というのは自分に負けるなという言葉ではないのか。
ここで歩いたら自分に負けるような気がする。「負けるなよ」心の中で何度もつぶやく。「負けるなよ、負けるなよ」
40キロ到達。あと2キロか。もう500人以上のランナーを抜いている。それでもゴールは遠い。目の前には1キロ先までランナーが数珠つなぎになって走っている。その先はカーブになっていてゴールが見えない。
フルマラソンとはなんと過酷な競技か。
ゴールの見える直接距離まで来た。ゆるい坂道になっている。最後に力を振り絞る。本当に心臓が止まると思った。坂道を駆け上がり、何人かを抜いた。もう走らなくていい。ゴール。
タイムは二年前よりわずか2分早かった4時間57分。あんなに頑張って2分か。でも気分は最高だ。
ざまあみろ、自分に負けなかったぞ!と叫びたいくらいだ。
義弟も今大会に出場し、大学時代に陸上を始めて21年目、3時間57分の初のサブフォー達成だ。

今大会で川内三兄弟の鮮輝選手が優勝。これで歴代の福知山マラソンで三兄弟が全員優勝の偉業を達成した。

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ありがとうございます😊
あの言葉がなかったら5時間超えてたかもしれません。^^;
太腿筋にかなり来てます。

 

 回顧を兼ねた書評
 僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。
 当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
 行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
 インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、
 それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。
 アフリカは遠すぎて行けなかった。新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。
 香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
 バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで
 溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
 旅も好きだが、旅行記も好きだ。
 この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。
 何よりも文章がうまい。
 奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、
 一気に読め、感動的でさえある。
 朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。
 旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。


 管理人マーキュリーマークからの伝言
 上記は、ドリアン長野が令和二年に投稿した内容です。
 令和六年にドリアン長野は親子でケアンズ旅行。